よく裁判の判決が出された時に、「懲役○○年〇カ月 執行猶予〇年の有罪判決」というのを聞きますね。
最近、話題になった判決では沢尻エリカ被告の、「懲役1年6カ月 執行猶予3年」の有罪判決がありました。
執行猶予つきの有罪判決とはいったいどのよなものなのでしょうか?
そこで今回は執行猶予とは?と題して執行猶予を簡単にわかりやすく具体例を用いて解説したいと思います。
執行猶予とは?
よく裁判の判決で耳にする「執行猶予」。
また度々、「執行猶予付き判決になるかどうか裁判の焦点となっています。」と言うのもテレビでアナウンサーやコメンテーターが口にしているのを聞きますね。
執行猶予付き判決とは一体どういうことを意味するのでしょうか?
「執行猶予」とは、実刑を執行するのはしばらく様子を見ましょうということなんですね。
ここでの実刑とは、刑務所に入ることを意味しています。
つまり、執行猶予つき判決が出された場合は、「刑務所に入らなくてもいいですよ。」ということになります。
それでは、罪を犯した人は罪を償う必要がないの?と思ってしまいますね。
なんとなく犯罪者に甘いように受け止められてしまいそうですが、執行猶予付き判決が出る場合の条件的なものはあるのでしょうか?
執行猶予付き判決となる場合は、前科がなかったり有罪となった原因に情状酌量の余地がある場合です。
被告が罪を犯したことを深く反省、後悔している可能性が見られる場合に実刑を猶予してあげますよというものなんですね。
執行猶予は、刑務所には入らずに社会や家族の身元引受人の元で社会生活を送らせる方が本人の更生のためになると判断した場合に下される判決なんですね。
被告は刑務所に入るべき罪を犯したけれども、事情が事情なので刑務所には送らずに社会でしっかり更生してね、という温情判決なのです。
執行猶予期間中の生活は?
執行猶予がついた判決が出されたことで、執行猶予期間中に罪を犯さなければ刑務所には入らなくてもいいと言うことが分かりました。
それでは、執行猶予期間中の生活というのはどうのように過ごす必要があるのでしょうか?
執行猶予期間中は、普通の生活が送れるようです。
しかし、何でもかんでも自由かと言ったらそうでもありません。
執行猶予の期間中は、自由に海外に渡航や転居は出来ないようですね。
全く出来ない訳ではなく海外渡航や転居する場合は、裁判所の許可が必要となり、制限される場合があるようです。
また執行猶予期間中は、保護司を通じて毎月の現況の報告が義務付けられています。
それもそのはず、本来ならば刑務所に入り罪を償わなければならない訳ですから、毎月の現況報告は必須ですね。
執行猶予期間中に犯罪を犯したら?
執行猶予期間中は、刑務所の中ではなく本人のために社会生活を通して更生させることを目的としています。
もし、被告が執行猶予期間中に犯罪を犯してしまた場合は、どうなるのでしょうか?
執行猶予期間中に犯罪を犯してしまった場合は即刻刑務所行きとなり、執行猶予の期間は取り消されます。
この場合は、もともとの懲役○○年の判決通りに刑務所にその期間入らなければならなくなります。
そして新たに犯した犯罪の裁判は、収監中に行われることになるんですね。
せっかく、執行猶予がついて刑務所に入らなくてもいいよと判決をもらったのに、また犯罪を犯してしまっては、獄中で反省するしか道はなくなります。
執行猶予が付くと前科はどうなる
執行猶予付き判決が下された場合は、執行猶予期間中に犯罪を犯さなければ刑務所に入らなくてもいいですよと言うことで、刑務所に入らずに普通に社会生活が送れますが、これは無罪になったと言う訳ではなんですね。
なので、執行猶予付き判決が出た場合でも、前科は残るということになります。
執行猶予期間が過ぎたら?
執行猶予の期間が過ぎた場合は、本件事件の刑期は満了したとみなされます。
つまり、執行猶予期間が満了を迎えた時は、刑を償って刑務所から出所したことと同じということですね。
執行猶予の期間の満了を迎えた時から、自由に行動が出来ると言うことになります。
執行猶予付き判決を具体例で解説
なんとな~く、執行猶予付き判決についてお分かりいただけたでしょうか?
それでは、執行猶予付き判決を具体例を上げて見ていきましょう。
今回は、沢尻エリカ被告の判決を例に説明しますね。
沢尻エリカ被告に下された判決は、「懲役1年6カ月 執行猶予3年」。
本来でしたら沢尻エリカ被告は刑務所に1年6カ月入らなければなりません。
しかし、今回の判決では沢尻エリカさんに前科がなかったことや本人が後悔をしていることなど情状酌量の余地があるとして、3年の執行猶予が付きました。
と言うことは、沢尻エリカ被告は本来刑務所に1年6カ月入らなければならないところ、執行猶予が付いたことで3年間は刑務所には入らないで、家族など身元引受人の元でしっかり更生していけるか様子を見ましょうということで、刑務所には入らずに普段通り社会生活を送れるということです。
3年間は、保護司による現況報告を毎月行わなければなりません。
何事もなく3年間が過ぎれば、沢尻エリカ被告の刑が終了したこととなり、色々なしがらみから解放され、自由の身となります。
沢尻エリカ被告に「懲役1年6カ月、執行猶予3年。」との判決に、なんとなく沢尻エリカ被告は1年6カ月間も刑務所に入らなければならないのかな~?なんて思ってしまいがちですが、執行猶予がついたことで、沢尻エリカ被告は刑務所には入らずに、家族のもとで更生を目指すということなんですね。
沢尻エリカ被告を参考に執行猶予付き判決を具体例で説明しました。
まとめ
今回は執行猶予付き判決に関して、具体例を用いて分かりやすく簡単にまとめてみました。
今後、裁判関係のニュースなどで「執行猶予付き判決が下されました。」というニュースを聞いた際には、「こう言うことなのね~。」と思ってニュースを見て下さい!
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