昭和56年に起きた女性銀行員による1億8000万円の横領事件。
三和銀行オンライン詐欺事件の実行犯となったのが当時三和銀行に勤務していた伊藤素子でした。
伊藤素子は不倫相手の南敏之に惚れこんでしまったが故に巨額の詐欺事件を起こしてしまいます。
この記事では三和銀行オンライン詐欺事件の実行犯となった伊藤素子の生い立ちた学歴、現在の様子についてまとめてあります。
伊藤素子の生い立ち
銀行員という安定した職業に就きながら、惚れこんでしまった相手が悪かったために巨額の詐欺事件を起こしてしまった伊藤素子。
一体、伊藤素子はどんな女性だったのでしょうか?
伊藤素子の生い立ちを見てみましょう。
●生年月日: 昭和23年(1948年)11月18日
●出身地: 京都府
●家族: 父親、母親、兄、姉
●学歴: 明徳商業高等学校
伊藤素子は昭和23年生まれ。
2024年で76歳です。
伊藤素子の父親は、高校の教師をしていました。
母親は華道や茶道の先生でした。
父親が教師、母親も師範をされていたとのことで、伊藤素子の生い立ちはお嬢様育ちと言ってもいいでしょう。
品よく育てられたと想像がつきますね。
伊藤素子は幼い頃から友達が少なく、外で遊ぶよりも家の中で本を読んで過ごすことが好きな少女でした。
また人見知りが激しく、人と話しをするだけで体が震えるほど緊張する性格だったそうです。
とても横領事件を引き起こすような性格ではなかったようです。
一体、伊藤素子はどのような経緯があって1億8000万円も横領することになったのでしょうか。
次項より横領事件の詳細を紹介します。
三和銀行オンライン詐欺事件の詳細
明徳商業高等学校を卒業した伊藤素子は三和銀行茨木支店に就職します。
商業高校を卒業してから大手銀行に就職。
伊藤素子は、誰もが羨むような育ちのいいお嬢様の王道的な人生を歩んでいますね。
社会人となった伊藤素子はファッションも地味で控えめで、仕事も真面目に取り組んでいたそうです。
給料も良く、貯金がどんどん増えていく銀行の仕事がとても楽しかったと言います。
伊藤素子は20歳になると銀行に出入りするサラリーマンと恋仲になります。
伊藤素子にとっては初めての交際相手だったとのこと。
しかし、この男性は妻子持ちでした。
男性の「妻とは離婚する。」と言う言葉を信じた伊藤素子は、ズルズルとこの男性との関係を12年も続けます。
そんな時に伊藤素子の前に現れたのが南敏之でした。
当時の南敏之は長身でイケメンでキャデラックを乗りこなしており、伊藤素子は南敏之に惹かれていき、それまで不倫関係にあった男性とはきっぱりと別れています。
12年間の不倫関係には2度の中絶があったと言います。
伊藤素子の前に現れた南敏之も実は妻子持ちでした。
ここで少し、南敏之について説明しておきます。
南敏之は昭和45年に立正大学を卒業後に旅行会社の東急観光株式会社に入社。
営業や海外の添乗業務を担当していたそうです。
やがて南敏之は、お寺の娘と結婚。
妻の実家のお寺では分譲墓地の販売や管理を手掛けており、その関係で南敏之も墓地管理会社を設立して取締役に就任し、東急観光は退社しています。
また、友人からフィリピンのマニラでの旅行案内業を引き継いで欲しいと依頼され、南敏之は引き受けています。
しかし、マニラの旅行案内業は蓋を開けてみると、多額の負債を抱え込んでいたことが判明。
またツアーガイドなどにかかる経費もあり、経営は赤字だったと言います。
そんな折、南敏之は三和銀行茨木支店に出入りするようになり、その担当が伊藤素子だったのです。
南敏之の会社の銀行口座の残高不足が頻繁に続き、入金の催促をするうちに南敏之と伊藤素子は親しくなっていきました。
長身でイケメンだった南敏之に惹かれていった伊藤素子。
一方、多額の借金を背負っていた南敏之にとっては伊藤素子は都合のいい女性だったのです。
次第に南敏之は伊藤素子にお金の無心をするようになります。
5万、10万、30万、、、、。
900万円あった素子の預金残高はとうとう底をついてしまいます。
もうこれ以上南とは付き合えないと思いながらも、なかなか別れることの出来なかった伊藤素子は、南敏之のために自らも750万円の借金を抱えます。
貯金も底をついてしまったことで、南敏之は伊藤素子に銀行員ならではの知恵を使ってお金を横領することを持ちかけます。
架空の口座を作りそこにお金を打ち込み、すぐに現金を引き出すことを提案。
1981年3月25日。
素子は銀行が開店すると同時にコンピューターの画面を捜査。
三和銀行吹田支店、豊中支店、虎ノ門支店、新橋支店に前もって作っておいた架空の口座に入金手続きを開始します。
茨木支店から4支店に入金を済ませた伊藤素子はAM10時過ぎに歯が痛いので歯医者に行くと言って早退。
その足で、各支店から架空の口座から現金を引き出すことに成功。
横領したお金を南敏之に渡すと素子はその中から500万円を受け取り、前もって計画していたマニラに逃亡します。
マニラの逃亡に関しては、素南敏之は一か月後にマニラに向かい現地で落ち合う計画でした。
しかし南敏之は何カ月たってもマニラに行くことはありませんでした。
伊藤素子が南敏之を待っている間、南は日本で家族と豪遊して暮らしていたのです。
それから約半年後、三和銀行茨木支店で巨額のお金が引き出されたことが判明。
直ぐに伊藤素子に指名手配が出されます。
マニラで身柄を拘束された伊藤素子は日本に移送される飛行機の中で逮捕に至っています。
逮捕された時の伊藤素子は「好きな人のためにやりました。」とコメント。
この言葉は流行語になっています。
伊藤素子の現在は?
好きな人の為に巨額の横領事件を起こした伊藤素子。
伊藤素子には2年6カ月の実刑判決が下されました。
また、横領を持ちかけた南敏之に対しては5年の実刑判決が下されています。
逮捕された伊藤素子は全部自分が悪いと述べたと言います。
南敏之に対しては、多額の借金が南の人柄を変えてしまったと、南敏之に責任転換をする言動は一切しなかったそうです。
また、南敏之と離婚が決まった妻に対しても、伊藤素子は丁寧に謝罪したと言います。
服役中の伊藤素子の元にはたくさんの男性からファンレターが届いたそうです。
そして模範因として2年後には仮出所となった伊藤素子は、全てを受け入れてくれた会社員と結婚。
その男性とは琵琶湖畔のマンションに暮らしているとの情報があるようです。
現在76歳となる伊藤素子。
穏やかな老後を過ごされていると思われます。
一方、南敏之に関しては消息不明との情報があるようです。
また、名前も「南」から「村上」の姓に改姓していると言います。
逮捕の際に、妻とは離婚が決まっていたと言われていまいしたので、お寺の娘さんである妻とは離婚に至っているようです。
付き合う男性によって大きく人生を狂わされた伊藤素子。
内向的な素直な伊藤素子の性格につけこんだ妻子ある二人の男性の行動は決して許されるものではありません。
伊藤素子の過去に起こした事件の全てを承知して結婚した男性と末永く幸せに暮らして欲しと願っています。
まとめ
三和銀行オンライン詐欺事件の伊藤素子の生い立ちや学歴、現在についてまとめました。
最後までお読み下さりありがとうございます。
銀行を舞台にした巨額詐欺事件をドラマ化した角田光代さんの「紙の月」はスリルがあっておススメです。
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